2留ちゃんのポリクリ日記

地方医学生の日常。

心療内科の話。

 どうも😊2留ちゃんです。

 

 今週は心療内科での実習だった。心療内科って正直イマイチ何をしているのか分からなかったりする。試しに知人に「心療内科ではどんな病気を診ていると思う?」と尋ねたら「うつ病とか…?」と言われた。うーん。それは精神科の仕事だ。

 

 心療内科は心の病気を診る科。その認識は間違っていない。なにせ『心』という字が入っている。これで心の病気を診てくれなかったら、詐欺だ。それでは精神科と何が違うのか。心の病気(うつ病とか統合失調症とか)を診るのは精神科の仕事ではないのか。この辺の区別が、どうも分かりにくい。

 そんなあなたは心療内科の『内科』という文字に注目してみてほしい。内科。風邪を引いたりお腹を壊したりしたときに行く、あの内科である。これなら分かる。風邪薬を処方したり、必要ならば点滴を打ったりして、喉や胃腸の不具合を直す。心療内科でやっていることは、カウンセリングなどの心の治療よりもむしろ内科に近い。ストレスで胃腸の具合がおかしくなった人には胃薬や整腸剤を処方する。ご飯が食べられなくなった人には栄養剤を点滴し、ご飯が食べられるように栄養指導をする。このように、『心が原因で身体の調子が悪くなったときに、それを良くするお手伝いをする』のが心療内科だ。あくまで体の不調を治すことが中心。その上でカウンセリングや心理療法が必要なら、それも行う。

(実際は精神科に行くのに抵抗がある患者さんが精神科がわりに受診することもある。なかなか曖昧だしややこしい。)

(ちなみにこの『心が原因で身体の調子が悪くなる病気』のことを『心身症』という。)

 

 さて、具体的にはどのような患者さんがいるのか。病院にもよるのだろうがうちの大学では拒食症の患者さんが大変多く、実際に話を聞かせていただいた。

(拒食症は精神の病気ではないのか…?と思う方もいるだろうが、実際に栄養失調などで体の不調をきたしているため『心身症』という扱いになるようだ。この辺の境界線はわたしにもよく分からない。結構曖昧なんじゃないかという気がする。)

 拒食症の特徴の一つに「病識の欠如」というものがある。これは、明らかに病気を患っているにもかかわらず、本人にはその自覚がないというものだ。だから彼女たちは、治療に協力的ではないことが多い。もっと痩せなければ。その気持ちが大変強いので、あなたの今の体重は健康に良くない、太らなければいけないよ、という意見をなかなか受け入れてくれないのだ。たとえ体重が20キロ台で、ガリガリに痩せ細ってしまっているとしても。そういった患者さんにどのような態度で接するか、どうやって治療に前向きな気持ちになってもらうか、というのは他の科でも役に立ちそうだと思った。

「どうしても治してあげなくちゃ!みたいな、ドラマみたいにアツい人だと治療がうまくいかないかもしれない」

「患者さんの言うこと全部信じて共感して感情移入してると、患者さんが、例えばご飯食べてるって言ってるけど実はトイレに流してたとか、そういう風に非協力的だったときにショックが大きくなっちゃうから、ある程度冷静な人の方がいい」

なるほどなあ。

 患者の立場だとつい冷血医者より熱血医者を求めてしまいがちだけど、実際「患者に共感!!うおおおおお!!」みたいな医者は空回りしがちなのかもしれない。患者に共感しすぎてなんでも患者の希望通りにします!なんて言っちゃったら、口に苦い良薬ではなく甘い毒を与えてしまいかねない。かと言って無理やり苦いものを口に突っ込むんじゃなくて、患者が進んで良薬を飲んでくれる方法を冷静に検討しなくてはならない。この1週間では、そのバランスを探る過程を垣間見ることができた。

 ま、どの科もそうなんだろうけどね。

 

 

 

マンガで分かる心療内科(1) (ヤングキングコミックス)

マンガで分かる心療内科(1) (ヤングキングコミックス)